核白内障による近視化や複視について
白内障とひと口に言っても、水晶体のどの部分が濁るかによっていくつかの種類に分類されます。
代表的なものとしてあげられるのは、次の4つです。
・核白内障
・皮質白内障
・前嚢下白内障
・後嚢下白内障
この中で核白内障とは、水晶体の中心部分にある「核」と呼ばれる部分から濁りが生じる白内障のことです。
一般的に白内障というと、水晶体が白く濁るイメージを持たれる方が多いかもしれません。
しかし核白内障は、水晶体の中心部が徐々に黄色から茶色へと変化していくのが特徴です。
そのため視界全体が少し黄色っぽく見えたり、色の鮮やかさが失われたりすることがあります。
特に白い紙や白い壁などを見た時に、以前より黄ばんで見えることで気付かれる方もおられます。
また、核白内障は中心部から濁りが進行するにもかかわらず、皮質白内障のように光が強く散乱してまぶしさが出るケースが比較的少ないため、自覚症状に乏しいことがあります。
「年齢のせいで見えにくくなっただけだろう」と考え、白内障が進行していることに気付かないまま過ごしてしまう方も少なくありません。
核白内障と近視化
核白内障の大きな特徴のひとつが「近視化」です。
核白内障では、水晶体の中心部分が濁るだけでなく、徐々に硬くなっていきます。
この変化によって水晶体の屈折力が強くなり、近視が進行したような状態になることがあります。
その結果、「遠くが見えにくくなる」「今までの眼鏡が合わなくなる」「眼鏡を何度も作り直すことになる」といった症状が現れます。
さらに、近視化が進むことで近くの文字が見やすくなる場合があります。
老眼鏡がなくても新聞やスマートフォンの文字が読めるようになったため、「老眼が良くなった」と感じる方もおられます。
しかし実際には老眼が改善したわけではなく、核白内障による近視化が原因であることが少なくありません。
中高年以降になって急に近くが見やすくなった場合は、むしろ白内障の進行を疑う必要があると言えます。
核白内障と複視
また核白内障では、ものが二重に見える「複視」の症状が現れることがあるのも特徴です。
通常、水晶体は均一な透明性を保っていますが、核白内障が進行すると濁り方が不均一になることがあります。
その結果、光の通り道にズレが生じ、一つのものが二重や三重に見えたり、輪郭がぼやけて見えたりします。
特に、「夜間の信号や街灯が二重に見える」「テレビの字幕がダブって見える」「片目で見ても二重に見える」といった症状です。
「脳の病気ではないか」と不安になる方もおられますが、片眼だけで見ても複視が生じる場合には、白内障が原因となっているケースも少なくありません。
早期発見・早期治療が大切です
核白内障は、進行すると水晶体が非常に硬くなります。
現在の白内障手術は安全性の高い手術ですが、水晶体が硬くなるほど手術時に使用する超音波エネルギーが増え、手術の難易度も上がっていきます。
そのため核白内障は「見えなくなるまで我慢する」のではなく、見え方に支障を感じ始めた段階で眼科を受診し、適切な時期に治療を検討することが大切です。
40代以降で、「急に近視が進んだ」「眼鏡が合わなくなった」「近くが見やすくなった」「ものが二重に見える」「色がくすんで見える」といった症状を自覚した方は、核白内障が関係している可能性がありますので、早めに眼科専門医を受診することをおススメします。
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