今日から新年度のスタートですね。和田眼科は2020年7月に開院15周年を迎えます。当院ではこれまでに7000件を超える白内障手術を行ってきましたが、「もう白内障手術は無理」とあきらめられていた方など数々の難症例の白内障手術も手掛けてきました。今日はその経験を踏まえて核白内障による近視化についてお話しさせていただきます。
白内障と一口に言っても、水晶体の濁り方によって次の4つに分類されています。
・核白内障・皮質白内障・前嚢下白内障・後嚢下白内障
この中で核白内障というのは、水晶体の中心部分である「核」のところから濁りが生じてくる白内障のことを指します。核白内障は他の白内障と比較して水晶体が「茶色に濁る」という特徴があります。視界が茶色っぽくなっていくわけですが、水晶体の周りの皮質が白く濁る皮質白内障などと比較して光の乱反射の眩しさなどが少ないため、中心部分から濁っているにもかかわらず白内障の進行に気づきにくいのです。
また、核白内障の場合、核が濁るだけでなく硬くなっていくということが大きな特徴で、このことが近視化と関連しています。水晶体が硬くなっていくと光の屈折が変化し、近視化が進んでいくのです。やっかいなことに白内障だけでなく近視化が進んでいるにもかかわらず、近くのものが見えやすくなったと老眼の改善と勘違いしてしまうケースもあったりします。
さらに、近視化によりメガネが合わなくなる場合もあります。
その他、核白内障では中心部の濁り方が不均一な場合は複視といって、二重に見える・ダブって見えるなどの症状が出る場合もあります。
核白内障は核が硬くなるため、進行が進むほど白内障手術が難しくなってきますので、特に早期発見・早期治療が大切です。40代に入られた方で急激な視力低下や見え方の不自然さを感じられた方は、核白内障である可能性もありますから眼科専門医を受診されることをお勧めいたします。