眼科ブログ
私たちがものを見る時、目に入ってきた光線が角膜や水晶体を通り、網膜で焦点を結んでいます。
そして、その情報が視神経を通じて脳に伝わることで、初めてものを認識しているわけです。
近視とは、本来網膜で光線の焦点を結ぶはずが、眼軸長(眼球の前後方向の長さ)と角膜や水晶体の屈折力のバランスが悪いために、網膜の手前で焦点を結んでしまっている状態のことを指します。
ひとくちに近視といっても、その強さには幅があります。
今日は「強度近視と度数」について、少しまとめておこうと思います。
まず、近視の程度についてですが、これは「度数」で示されます。
度数の強さは、屈折力の単位である「ディオプター(Diopter; D)」で表します。
普段お使いになられているメガネの処方箋や、コンタクトレンズの箱を見ていただくと、自分がどれくらいの単位なのかを確認できます。
この度数の単位「D」ですが、近視はマイナス、遠視はプラスです。
プラス・マイナスともに、数字が大きいほどレンズの度数が強いことになります。
通常、強度近視とは、この度数が-6.00D以上の事です。
メガネやコンタクトレンズの技術が進化しているとはいえ、度数が強くなればなるほどレンズの周辺部の厚みは分厚くなりますし、装着している時としていない時の見え方の差が大きくなります。
そのため、強度近視に悩む多くの患者様が、裸眼視力を回復するための治療法を模索している現状があります。
度数とは、屈折のズレの程度を表す数値で、「近視が強いか弱いか」を表しているものです。
一方、視力は視力検査によって、その時の「見える力」を数値で表したものです。
Cのマーク(ランドルト環と言います)を片目ずつ見て、穴の開いている方向を上下左右で答える検査は、ほとんどの方が経験していると思います。
一般的に、近視の度数が強いほど裸眼視力が低いことは予測できますが、表しているものが違うため、例えば視力が0.3だからといって度数はいくつと画一的に決められるものではありません。もちろん、その逆もしかりです。
また、目の構造は人それぞれですし、視力が同じでも近くをよく見るために必要な度数、遠くをよく見るために必要な度数も変わってきます。
言い換えれば、度数とは「見える力」を引き出すために必要な「レンズの強さ」ということになります。
合わない度数のメガネやコンタクトレンズを使用していては、眼精疲労を始めさまざまな不調のもとになりかねません。
特に、強度近視の方なら、なおさらです。
当院で、初診当日での眼鏡処方(メガネ処方箋の発行)を行うことはできかねますと明示しているのは、目の状態の把握を優先し、正確な検査を行い適正な度数を診断するためです。
患者様の健やかな生活と、豊かなアイライフのために大切なことですので、ご了承の程お願いいたします。
強度近視は視力の低下だけでなく、さまざまな病気を引き起こす確率が高くなります。
・緑内障
・網膜剥離
・近視性牽引黄斑症候群
・近視性網脈絡膜新生血管
・網脈絡膜萎縮
このうち比較的聞きなれた病名は、緑内障と網膜剥離ではないかと思います。
視野が欠けていく病気である緑内障は自覚症状を感じにくく、欠けた視野は戻らないため早期発見・早期治療が何よりも大切です。
また、網膜剥離はボクサーに多い病気と思われがちですが、実は強度近視に伴うケースも多く、できるだけ早く剥がれた網膜を硝子体手術で戻さなければ、視力低下や最悪の場合、失明に繋がってしまいます。
強度近視そのものを治療する方法は現時点ではありませんが、定期的な診察を受けていただくことでさまざまな合併症を予防し、見え方の質を守る可能性に繋げることはできます。
また、当院は強度近視対応の多焦点眼内レンズを用いた白内障手術、アイシーエル手術に豊富な実績を有しています。
白内障手術、アイシーエル手術ともに、無料説明会を定期的に開催していますので、わからないことがありましたらご相談ください。ご参考になれば幸いです。
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