眼科ブログ
当院では単焦点・多焦点を問わず白内障手術に使用する眼内レンズのラインナップをできるだけご用意しておりますが、昨年は世界初の5焦点眼内レンズ「インテンシティー」をご希望される患者様がかなり増えたことが一つの特徴でした。
昨日も白内障10件、ICL4件と計15件の内眼手術を行いましたが、白内障10件のうち6件がインテンシティーでした。
何度かブログでご感想を報告しておりますが、その性能とメリットについてあらためて書いてみたいと思います。
インテンシティーはイスラエルの「Hanita_Lenses」社が開発し、2020年9月から日本で取り扱いが開始されました。
世界で初めて「遠方、遠中、中間、近中、近方」の5つに焦点を合わすことができる多焦点眼内レンズで、これまでの2焦点や3焦点眼内レンズではカバーしづらかった遠方~中間、中間~近方の距離もスムーズな見え方が期待できることが特徴です。
また、「Dynamic light utilization」テクノロジーという独自の回折構造によって、光エネルギーのロスを6.5%まで抑えているため、夜間の光のにじみやまぶしさ(ハローグレア)の軽減、回折型多焦点眼内レンズのデメリットでもあったコントラストの向上も期待できます。
総合的に見れば、老眼治療までできる回折型多焦点眼内レンズと言えるでしょう。
実際、患者様から術後のご感想をおうかがいしても、
「外の風景が裸眼でよく見えているのが驚き」
「運転のときにナビゲーションモニターが眼鏡無しで見え、操作もしやすい」
「近見の文字が老眼鏡無しで見えるのでとても便利になった」
「色が鮮やかで全体的に明るくなった」と全体的に満足度が高い内容となっています。
また、「ハローグレアは気にしていたがそれほどではない」というお声も多いです。
特に「連続的にすっきり見える」という点がこれまでのところ一番共通しているポイントで、アクティブにスポーツを楽しみたい方、読書など趣味を楽しみたい方、まだまだバリバリ仕事をこなしたい方など、さまざまなライフスタイルに適した眼内レンズと言えます。
従来の多焦点眼内レンズ(2焦点眼内レンズや3焦点眼内レンズ)と比較して見え方に連続性があり、光学特性からの中間距離での見え方の落ち込みが少ないために、視界がより自然で、なおかつ比較的近見にも強いということがそれを可能にしてくれる理由です。
もちろん結果には個人差もあり様々な要件が重なるために一概には言えませんが、老眼鏡無しで過ごせることは患者様の生活の質の向上に大きく関わってきますし、患者様に喜んでいただいていることが一番のメリットです。
2021年から乱視も軽減できる乱視治療型タイプのインテンシティーも新しく発売され、より治療できる幅が広がってきています。
当院の自費診療の中ではインテンシティーを選ばれる方が多いのですが、その満足度の高さから多焦点眼内レンズの中でこれからも患者様に選ばれる最良のレンズの一つとなるでしょうし、将来もより普及していくと個人的には予想しています。
モニター価格については何度か延長してまいりましたが、ご好評をいただいていることと昨今の経済事情を鑑み、当院では「インテンシティー」のモニター価格を3月末まで延長することにいたしました。
3月末までにお申し込みの患者様は、これまで通りファインビジョンと同じ価格にてご利用いただくことができます。片目税抜き400000円、税込み440000円です。
また、「インテンシティー」の乱視用レンズに関しても3月末まではモニター価格として、ファインビジョン乱視用レンズと同じく、片目税抜き440000円、税込み484000円でご提供しております。
医療技術および医療機器が進歩を遂げる中、白内障治療は手術後の暮らし方や過ごし方を見据えた眼内レンズ選びが求められる時代です。
言い換えれば、眼内レンズ選びは自己投資の時代に入っており、当院では患者様が求められる見え方をなるべく実現できるよう、さまざまな眼内レンズの選択肢をこれからも提供していく所存です。
詳しくはホームページや白内障手術説明会、ブログなどを通じて、その都度情報発信してまいります。ご参考になれば幸いです。
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