眼科ブログ

強度近視と緑内障の関係、その特徴について

先日、クリニック近くの中学校前を通った時、中学生達が元気に過ごしている姿を見てとても微笑ましく思いました。
と同時に、自分が中学生だった頃と比べて、メガネをかけている子の割合が増えたなと感じました。
コンタクトをしている子を加えれば、近視などを患っている子どもはもっと多いのではないでしょうか。

強度近視の合併症は早期発見・早期治療が重要

年齢に限らず、近視を患う方は日本だけでなく世界中で急速に増加していると言われていて、なかでも強度近視の方が年々増えています。
強度近視の一般的な定義は、一つは近視の度数である屈折度が-6D(ディオプトリー)、特に-8D以上であることです。
もう一つは正常では24.5mm程度である眼軸の長さが、26.5mm以上など眼軸が長く(長眼軸)なってしまい、通常の近視よりさらに眼球が引き伸ばされていることです。

正確な目の状態は眼科受診しなければご自身で把握することは困難なため、強度近視によるさまざまな合併症を早期発見・早期治療で食い止めることが重要です。
リスクを軽減するためには、たとえ見え方におかしな点がない場合でも、40歳を越えた方は定期的な眼科受診を推奨するものです。

強度近視が緑内障に繋がる原因

特に気を付けたい強度近視の合併症の一つが緑内障です。
その理由として、強度近視によって眼軸が長くなっていることは先ほど説明いたしましたが、過度に引き延ばされているのは眼軸だけでなく、角膜と虹彩の根元が交わる部分で、眼圧を一定に保つ房水の排出口がある「隅角」も引き伸ばされているのです。
日本人の場合、「広義の開放隅角緑内障」に罹患するケースがもっとも多く、さらにここには眼圧が正常であっても起こる緑内障も含まれていて、放置していると視力低下などを引き起こします。

このように強度近視が緑内障に繋がるリスクは大きいものがありますが、近視による視神経乳頭の変化など近視性の視神経症の場合、緑内障との鑑別は非常に難しいものがあり、専門的な検査や経過観察を行うケースもあります。

緑内障の検査・治療について

緑内障治療の最もポピュラーなものは点眼治療ですが、点眼をいったん始めると基本的には生涯使用し続けていくことが必要になるため、特に慎重な判断が求められます。

当院では緑内障手術が必要な場合でも、患者様の体の負担を考慮した低侵襲緑内障手術「MIGS(ミグス)」に努めています。
また、最近増えている白内障と緑内障の同時手術など、患者様の生活状況やライフスタイル、ご意向などをうかがいながら総合的な眼科医療に取り組んでいます。
強度近視の方の場合、白内障手術時に眼内レンズの度数選択により、近視度数を軽減し、近視を軽くすることが可能です。
ご参考になれば幸いです。

緑内障の治療案内はコチラ

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