眼科ブログ
最近、「目の状態を確認しておきたい」と初診で来院される方が増えています。
今日は、緑内障と失明までの年数について、少しまとめておこうと思います。
緑内障とは、視神経に障害を受けることが原因で、視野(見える場所)が徐々にかけていく病気のことです。
日本における視覚障害の第1位を占める緑内障の最大の特徴は、一度欠けてしまった視野は元に戻せないということにあります。
そのため、早期発見・早期治療に努めることがとても大切なのですが、緑内障に罹患している約9割の方は、治療を受けていないと言われています。
早期発見が難しい理由は、片方の目の視野が少し欠けていても、もう片方の目がカバーしてくれているからです。
両目で見て「見え方がおかしいな」と感じ、受診された頃には、緑内障がかなり進行しているケースは珍しくありません。
情報化社会の中、そうしたことをご理解されて、目の状態を一度調べておこうと来院される患者様が増えているのだと思います。
緑内障は進行性の病気なため、放置していると悪化していきます。
悪化がひどくなると、失明に至るケースがありますが、ほとんどの緑内障の場合、失明までには長い年月が必要です。
したがって、「緑内障=即失明」というわけではないことを、まずご理解いただければと思います。
緑内障のタイプにはさまざまなものがあり、なかには急激に眼圧が上昇する急性緑内障もあります。
目の痛みや充血、頭痛や吐き気など激しい症状が伴う急性緑内障を発症した際は、急速に視力が悪化し、最悪の場合、失明も考えられます。
しかし、一般的な緑内障においては急に失明することはなく、緑内障の程度などさまざまな要因が関連しますが、発症から失明に至るまでの年数は、おおむね30年ぐらいと考えられているのが実情です。
いずれにしましても、緑内障が早期発見・早期治療が大切な病気であることに変わりはありません。
一度欠けてしまった視野を取り戻すことはできませんが、できるだけ軽度な状態で緑内障治療を開始することで、視力障害の進行や失明に至る可能性を抑えることができます。
緑内障の治療は点眼薬で眼圧を下げ、眼圧をコントロールすることで緑内障の進行を遅くすることが中心です。
症状にもよりますが、複数の点眼薬を使用する場合や、眼圧のコントロールが難しいようであれば、レーザー手術や外科的手術を検討します。
当院では、目の状態を精密に検査することのできる医療機器をそろえ、緑内障手術が必要になった場合でも、患者様の体の負担を考慮した低侵襲緑内障手術「MIGS(ミグス)」に努めています。
また、最近増えている白内障と緑内障の同時手術など、患者様の生活状況やライフスタイル、ご意向などをうかがいながら、総合的な眼科医療に取り組んでいます。
わからないことがあればご相談ください。ご参考になれば幸いです。
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