眼科ブログ

白内障と緑内障が併発した場合の治療のポイントについて

白内障と緑内障、それぞれの治療法

白内障と緑内障、どちらも加齢に伴い罹患率が高くなる病気であることはすでにご存じのことと思います。

目の中にある水晶体が白く濁ってくる病気である白内障の治療は、基本的には日常的に不自由を感じたら濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換える手術を行います。

また、視神経がダメージを受けることで発症する緑内障の治療は、眼圧を下げる目薬を点眼することで眼圧のコントロールに努め、進行を遅くすることが基本です。

一度失った視野は取り戻すことができないのが緑内障の特徴で、早期発見・早期治療が求められるだけでなく、一生付き合っていく必要がありますので根気強く治療を続けていくことが大切です。

白内障と緑内障が起こる仕組みは全く別のもの

よく相談を受けるのですが、白内障と緑内障、どちらかを患ったから必ずもう片方を患うというわけではありません。
また、順番が決まっているわけでもありません。

目の状況は人それぞれですし、白内障と緑内障が起こる仕組みは全く別のものです。

白内障は水晶体を構成しているタンパク質の変性によって、水晶体が白く濁ってしまうことが原因です。
この原因になるのは加齢、糖尿病、アトピー性皮膚炎、目の外傷などがあげられます。

緑内障は視神経に障害が起こることで、視野が欠けたり狭くなってしまう病気です。
かつては眼圧が高いことが原因と考えられてきましたが、最近は眼圧が正常値であっても緑内障に罹患している方が多いことが確認されています。

その人の視神経が耐えられる限界を超えた時に発症する病気ともいえ、強度近視と緑内障との関係が注目されています。
現代社会は知らず知らずのうちに目を酷使してしまいがちですから、緑内障に関する相談は老若男女問わず、増えているのが実情です。

こうした病気が起こる仕組みをご理解いただければ、どちらも加齢に伴い罹患率が高くなる病気であることがお分かりいただけるかと思います。
したがって、併発することは珍しくありません。

白内障と緑内障が併発した場合の治療法

そこでよくいただく質問の一つに「白内障と緑内障を併発しても、白内障の手術は可能か」というものがあります。
結論から言えばこれは可能で、むしろ白内障の手術を行うことが緑内障治療のメリットに繋がるケースもあります。

例えば、白内障の手術を行うことで水晶体が人工眼内レンズに変わります。
この人工眼内レンズはもとの水晶体より薄いですから、眼圧が下がる可能性があります。

また、視神経の状態を確認する検査がしやすくなるのも、緑内障の治療を行う上で役立ちます。
白内障の手術を行うことが緑内障を進行させるようなことはありませんので、ご安心ください。

白内障と緑内障を併発した場合、白内障の手術が必要な時でも緑内障の点眼治療は引き続き行うことができます。
白内障と同時に緑内障が進行している場合は、白内障と緑内障の同時手術を行うことも一つの選択肢になってきます。

目の状態は千差万別で、見え方の質を落とさないようにするための治療法も患者様お一人お一人異なります。
白内障手術については定期的に無料説明会も行っておりますのでご活用ください。ご参考になれば幸いです。

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