眼科ブログ

低侵襲硝子体手術「MIVS(ミブス)」について(最近の手術事例から)

医療技術の発展、医療機器の高度化に伴い、現在では多くの眼科手術が日帰りで行うことができるようになりました。
それと同時に、どれだけ術創と呼ばれる手術の傷を縮小できるか、手術時間を短縮し患者様の身体の負担を軽減できるか、術中術後の合併症リスクを軽減できるか、患者様の早期社会復帰を可能にできるか、といったことが問われるようになっています。

これら眼全体の負担軽減を目指す低侵襲硝子体手術のことを「MIVS(ミブス)」と呼んでおり、当院ではこの「MIVS(ミブス)」を進めることができるよう、網膜硝子体手術システム「BIOM(バイオム)®5」(OCULUS社)と、眼科手術用顕微鏡「Proveo(プロベオ)8」(ライカ社)を組み合わせて、手術にあたっています。

「BIOM ®5」は、非接触で眼底を広範囲に観察することができることと、顕微鏡の動きと連動することで眼球と顕微鏡の距離を一定に維持することができ、手術を中断せず眼底を観察できるのがメリットです。

さらに、「Proveo8」を組み合わせていることで、術者が見られる領域が格段に広まり、より安全で効果的な手術を可能にしてくれています。

先日、それを実感する出来事がありました。
網膜硝子体関連だけで9件の手術があった日なのですが、黄斑上膜の手術を行った患者様で「BIOM®5」と網膜周辺部強膜圧迫で観察可能なかなり網膜最周辺部に、わずかながら網膜裂孔と軽度の網膜剥離が起きているのを見つけました。

目の状態は非常にデリケートなもので、特に網膜の状態は散瞳検査を行っても外からは観察できず、中を詳しく調べてみないと分からない部分があります。

飛蚊症の症状があることはお伺いしていましたので、入念な硝子体切除と裂孔付近のレーザー治療、ガス置換を行うことで黄斑上膜と同時に網膜剥離の手術を終えました。

手術後、無事網膜剥離は治癒しており、今のところ経過順調です。

網膜硝子体手術では、広角観察システムと呼ばれる眼底を一度に広く観察できるシステムが普及しつつあり、当院では「BIOM®5」と「Proveo8」を導入することで、低侵襲硝子体手術「MIVS(ミブス)」に努め、患者様の健やかな生活と豊かなアイライフに貢献していく所存です。ご参考になれば幸いです。

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