眼科ブログ
高齢化社会が進む中、加齢に伴い発症率が高まる白内障は多くの方にとって身近な病気の一つです。見えづらさを始めとした症状を改善するには手術が唯一の方法で、白内障手術の精度や安全性が格段に向上していることと近視や乱視、老視の矯正なども同時に行えるため、QOL(生活の質)を高める目的で以前より早期に手術を受けられる方が増えてきたように思います。その要因としてはさまざまな眼内レンズが登場していることも挙げられます。
先日、白内障手術を行った患者様は幼少期から強度近視で悩んでおられ、ハードレンズを子どもの頃から装用していたとのことで、検査の結果、強度近視だけでなく乱視もかなり強い状態でした。
RV = 0.04(0.6×S-6.50D:C-3.00D Ax110) R > G
LV = 0.05(0.4p×S-6.75D:C-1.50D Ax120
眼軸は28.42mm、28.31mmと長眼軸でした。
-6Dの強い近視と3Dの強い乱視を治したい、老眼治療で多焦点眼内レンズにも興味があるとのことでしたので、お話をよくうかがいながら眼内レンズを検討していきました。対応できるレンズ度数が既製品の三焦点眼内レンズでは範囲外で、イタリアのメーカーが出している「エボルブ(Evolve Toric)」であれば乱視と強度近視両方に対応可能な旨を患者様に説明し、ご希望いただいたうえで白内障手術を行いました。
手術翌日の視力は遠見視力が1.2と1.0、近見視力が0.8と0.8で近視と乱視がほぼ矯正され、経過も良好です。
RV = 1.2×IOL(n.c.) LV = 1.0×IOL(n.c.)
nRV = 0.8×IOL(n.c.) nLV = 0.8×IOL(n.c.)
強度近視眼底のフォローも白内障手術によって行いやすくなり、何よりも患者様にコンタクトレンズから解放されてよく見えると喜んでいただけたことがスタッフ一同とても嬉しいことでした。また、患者様が望まれる見え方の質になるべく近づけられるよう、さまざまな眼内レンズを取り扱ってきた成果の一つだったと思います。ご参考になれば幸いです。
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