眼科ブログ
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は当院の眼科医療を信頼してご来院いただき、心より御礼申し上げます。
本年も「患者さまの喜びを我が喜びとする」初心を忘れず、スタッフ一同更なるスキルアップに取り組み、日々の診療に務める所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
近年、若年性白内障の手術を手掛けることが増えてきました。
若年性白内障で最も多い原因疾患は、アトピー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎を起因とする若年性白内障は、水晶体の中心部から混濁が見られることが多く、視力低下が急速に進むのが特徴です。
その理由は水晶体のまわりの皮質が溶けやすいことにあり、20代、30代で白内障手術が必要になることも珍しくありません。
また、加齢性白内障より進行が速いため、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
一方、アトピー性皮膚炎などの治療に使われるステロイドの副作用が原因で、発症する白内障もあります。
炎症を強く抑えてくれるステロイドは、アトピー性皮膚炎を始めとするアレルギー疾患などを治療するためには必要不可欠な薬であり、ステロイドを使用したすべての方に、副作用として白内障が発症するわけではないことを、まずご理解ください。
ステロイドの副作用で発症する白内障の特徴は、かなり初期から見えづらい、視力低下のスピードが早いということです。
しかしこれも、患者様にとっては初めてのケースでしょうから、スピードが早いといっても比較のしようがないと思います。
おかしいなと思ったら早めに眼科受診し、目の状態をチェックしていただくことをおすすめします。
どちらも根本原因はいまだにわからないなど共通点があり、アトピー性皮膚炎の治療にステロイドが使われることが多いため、同じ白内障と思われがちですが、厳密に言えば似て非なるものです。
アトピー性白内障とは、アトピー性皮膚炎を発症している人に起こる白内障です。
ステロイド白内障とは、アレルギー症状などを軽減するための塗り薬や内服薬として使用するステロイドによる副作用によるもので、アトピー性皮膚炎が直接の原因ではありません。
当院はこれまでに、アトピー性白内障を始めとする数多くの若年性白内障の症例を行い、患者様のライフスタイルに合わせた眼内レンズのご提案に努めてきました。
目の状態は人それぞれで、よりよい見え方に近づけるには治療法もそれぞれ異なります。
また、働き盛りの方が多く、もっと高齢になってからの病気だというイメージがありますし、突然のことに驚かれるケースも珍しくありませんから、治療はもちろんですが、メンタル的なフォローも大事になってきます。
若年性白内障の手術例については、次のブログをご参照ください。
「若年性白内障と多焦点眼内レンズについて(アトピー性白内障の一例)」
「強度近視にICL、若年性白内障に多焦点眼内レンズを用いた手術例について」
「アトピーによる若年性白内障と多焦点眼内レンズを用いた手術例について」
アトピー性白内障を始めとする若年性白内障を患われている患者様は、比較的若い年代のため、将来の眼鏡やコンタクトレンズにかかる費用と比較して、多焦点眼内レンズを希望される患者様も少なくありません。
しかし、アトピー性皮膚炎がひどい方の場合、眼内レンズを支えるチン小帯が弱いケースがあり、場合によってはレンズが挿入できないなど、多焦点眼内レンズを希望されても適合しないケースがあります。
その場合、できるかぎりの可能な選択肢をご用意して、患者様とよく話し合いながら治療計画を組み立てるように努めています。
また、術後にかゆみで目をこすると細菌感染も起こる可能性がありますので、術後管理には特に気を付けています。
情報化社会がますます高度化する中、目を守り見え方の質を維持することは、これまで以上に大切になっています。
特に若年性白内障の患者様の場合、画一的な治療法では患者様の望む見え方に対応できない場合があります。
当院は最先端の医療技術を患者様に提供し、健やかな生活と豊かなアイライフに貢献できるクリニック作りを進めています。
これからもたくさんの患者様の明るい視界とかけがえのない人生に微力ながら少しでも貢献していけるように、さらに眼科医としての治療技術を追求し、スタッフとともに頑張ってまいります。
1月5日(木)から診療を開始いたしますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
お問い合わせ
0798-39-8883
兵庫県西宮市常磐町1-27
ヤマイチPLAZA さくら夙川2階
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