眼科ブログ
当院では毎年約500件の白内障手術を行っていますが、白内障前後で問題になるのが不同視です。
不同視とはいわゆる「ガチャ目」と呼ばれているもので、右目と左目の屈折が違う状態、近視や遠視の度数の差が大きいことを指しています。
不同視は、大人になってからだとあまりはっきりした自覚症状はありません。
そのため、いままで不同視での近視に慣れている場合は、片目がもう片方の目をカバーしているので、老眼症状を無意識に軽減させている方もいらっしゃいます。
人間の目の機能というのはとてもよくできているものではありますが、左右で見え方と視力がアンバランスになっていることは変わりありません。
知らず知らずのうちにどちらか片方の目を酷使していますから、症状としては眼精疲労や体の疲れを引き起こしやすくなりますし、メガネが合いにくいなどの不具合を生じます。
不同視の方の白内障手術を検討する時、白内障手術で近視や遠視の改善とともに、不同視の左右差の改善をしにいく場合も多いのですが、問題になることもあります。
その一つが、片目の白内障手術の場合です。
本来であれば、近視や遠視があれば軽減できないかとその改善を狙いに行くのですが、片目治療後の両目バランス、さらに手術をしない方の目が、将来白内障になった時の治療を考慮に入れての両目バランスも、同時に考える必要があります。
将来のベストな状態のために、一時的に不同視の左右アンバランスを許容するかどうかは、患者様と話し合う際の重要なポイントと言えるでしょう。
左右差があまりに強い場合は、仕事や日常生活に支障がでると困りますので、比較的早いうちに両目での白内障手術を考えるか、バランスを考えて白内障手術に用いる眼内レンズの度数をもう片方の目に合わせるなど、さまざまなケースを検討します。
また、多焦点眼内レンズでの老眼治療を希望されている場合は、基本的に正視をターゲットとして、なるべく近視や遠視を少なくなるように狙いにいくのですが、もう片目はメガネもしくはコンタクトレンズや、ICLなどの屈折矯正で一時対応する場合もあります。
屈折での左右差は少ないにこしたことはないのですが、白内障の進行は両目が同じように進むというものでは必ずしもありません。片目だけ白内障の進行が早い方も、多くいらっしゃいます。
また、白内障の進行に伴い近視化が進む場合があり、これが原因で不同視が引き起こされるケースもあります。このように、不同視は白内障手術を考える上で、外すことのできない大切なポイントとなっています。
白内障手術後の生活をより良いものにするためにも、どのタイミングで白内障手術を行うことが手術を受けられる患者様にとって一番いいことなのか、その後の健やかな生活に繋げられるのか。
当院はこれまで培ってきたさまざまなケースでの白内障治療の経験を活かし、患者様の手術後の生活の質、見え方の質にこだわった手術・治療の提供に努めています。
梅雨の季節になりました。ご来院の際は、お足元に気を付けてお越しください。ご参考になれば幸いです。
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