多焦点眼内レンズを用いた白内障手術と先進医療除外に関するお知らせ

今月5日に開催された先進医療会議において、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術(白内障手術)が先進医療から除外されるということがほぼ決まったようです(2019/12/10時点)。
今後についてですが、多焦点眼内レンズ(遠近両用眼内レンズ)は次の３つを含めいくつかの案が検討されているようです。

1. 保険診療に移行する
2. 自費診療に移行する
3. 眼内レンズ代金のみ別にする

多焦点レンズには現在いくつかの種類がありますが、日本で認可しているものについてはこれまで先進医療の対象となっておりました。
そのため、先進医療に対応する生命保険特約が適用され、実質無料で手術を受けることができていました(保険会社の条件によっては、全額給付でない場合もあります)。
しかし、2020年3月で多焦点眼内レンズを用いた白内障手術がこのまま先進医療から除外された場合、これまでのような特約による給付は無くなることになりますので、患者様の負担が大幅に増えることが予想されます。

基本、白内障手術は人生で一度きりの手術です。
レンズを簡単に入れたり出したりすることはできませんので、どの眼内レンズを使用するのか納得していただいたうえで手術を受けていただくことが大切です。

よく誤解されがちなのですが、保険治療の単焦点眼内レンズだから質が低く、自由診療の多焦点眼内レンズだから質が高いということはありません。
それぞれメリットとデメリットはあります。
一番大事なことは、患者様のライフスタイルや求める見え方の質に最も適した眼内レンズを選択していただくことだと私は思います。
和田眼科では先進医療からの変更があった場合でも、患者様の生活の質(QOL)や視覚の質(QOV)を維持し、より安全・安心の白内障日帰り手術を提供できるよう努めてまいります。

先進医療認定取り消しの正確な時期は未定ですが、「先進医療特約」の保険に入られていて、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術をお考えの方は、2020年3月までに先進医療認定施設での手術を検討されてみるのも一つの方法と言えるでしょう。
情報が分かり次第、ブログなどを通じてご報告できればと考えています。

インフルエンザが関西でも徐々に流行してきているようです。
忘年会の季節でもありますから、くれぐれもご自愛ください。

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