眼科ブログ
「最近、目が疲れやすい」「視界がぼやけるような気がする」というお話を、外来でよくうかがいます。
目の不調の原因は、視力の問題や目の酷使だけではありません。
目の奥にある血管の「血のめぐり」が悪くなることが、さまざまな目の病気の引き金になることがあります。
今日は、「目と血流の関係」について、少しまとめてみようと思います。
目の奥には、光を感じる「網膜(もうまく)」や、情報を脳へ伝える「視神経」といった大切な組織があります。
これらは酸素や栄養が常に必要なため、細かな毛細血管が張りめぐらされており、血流に強く依存しています。
血流が悪くなると、これらの組織に十分な酸素が届かなくなり、目の働きに支障が出たり、病気が進行したりすることがあります。
目はとてもデリケートな器官なので、血流をよくすることが目の健康を守る第一歩です。
いくつかの目の病気は、血流の悪化と深く関係しています。
代表的なのは、次の病気です。
・緑内障
視神経がダメージを受けて、視野が少しずつ欠けていく病気です。
よく「眼圧が高いから」と言われますが、最近では、視神経への血流が不足することも原因のひとつと考えられています。
日本人に多いタイプの、眼圧が正常でも進行する「正常眼圧緑内障」では、特に血流の関与が注目されています。
・網膜静脈閉塞症
目の中の血管が詰まってしまい、突然視界が暗くなったり、ぼやけたりする病気です。
高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病がリスクとなりやすく、「目の中の脳梗塞」とも呼ばれます。
・糖尿病網膜症
糖尿病によって毛細血管が傷み、出血やむくみを引き起こす病気です。
自覚症状が出にくく、気づいたときには進行していたということも多いため、早期発見には、年に一度の眼底検査が欠かせません。
・虚血性視神経症
視神経に必要な血流が一時的に低下し、急に視力が下がる病気です。
高齢の方や、夜間の血圧低下が見られる方に多くみられます。
目の血流を良くするには、全身の血流を整えることが大切です。
日々の生活習慣を見直して、目の健康も守っていきましょう。
・運動習慣をつける
ウォーキングやストレッチなど、軽めの有酸素運動は血行促進に効果的です。
・バランスのとれた食事
青魚に含まれるDHA・EPA、緑黄色野菜のルテインやビタミンC、ナッツ類のビタミンEは、血管の健康維持に役立ちます。
・喫煙を控える
タバコは血管を収縮させ、網膜の血流を悪化させます。喫煙者は目の病気のリスクが高くなることがわかっています。
・しっかり眠る
睡眠不足は視神経への負担や血流の乱れにつながります。スマホやPCの見すぎにも注意しましょう。
目の血流にトラブルがあっても、初期段階ではほとんど自覚症状が出ないことが多いのが怖いところです。
40歳を過ぎたら、年に一度の「眼底検査」を習慣にしましょう。
特に以下のような方は要注意です。
・高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病がある方
・緑内障の家族歴がある方
・喫煙している、または過去に喫煙歴がある方
・慢性的な疲れ目やストレスが強い方
眼底検査では、網膜の状態や血管の変化を直接見ることができ、血流に関連する病気の早期発見・早期治療につながります。
目の健康は、「視力」や「疲れ目」だけでは測れないものです。
見えないところで起きている血流の変化が、大きな病気の引き金になっているかもしれません。
「まだ見えているから大丈夫」と思わずに、生活習慣を整え、定期的な眼科検診を受けることが、将来の視力を守る何よりの備えになります。
ご参考になれば幸いです。
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