眼科ブログ

似ているようで違う「続発性白内障」と「後発性白内障」

白内障というと、「年を取ると誰でもなる病気」というイメージが強いかもしれません。実際、日本人の多くが60代以降に白内障の手術を受けています。

しかし、白内障にはいくつか種類があり、中でもよく混同されやすいのが「続発性白内障」と「後発性白内障」です。

この2つは名前こそ似ていますが、発症のタイミングも原因も異なる、まったく別の病気です。

今日は、それぞれの違いと治療法、注意点についてわかりやすく解説していこうと思います。

 

続発性白内障とは「ほかの病気や外傷が引き金になる白内障」

「続発性(ぞくはつせい)」とは、「何か別の病気や原因があって、それに続いて発症する」という意味です。つまり続発性白内障とは、白内障以外の病気や外傷、薬剤などが原因で起こる白内障です。

次のようなものが、代表的な原因としてあげられます。

  • ぶどう膜炎(眼の炎症)
  • 糖尿病
  • アトピー性皮膚炎
  • 目のケガや手術歴
  • ステロイド薬の長期使用(内服・点眼どちらも)

こうした背景疾患がある方は、通常の加齢性白内障よりも若い年代で発症することもあり、進行も早いことがあります。

続発性白内障の治療も基本的には手術ですが、原因となる病気の治療と並行して行う必要があり、慎重な判断が求められます。

 

後発性白内障とは「白内障手術のあとに起こる“再発”のような症状」

後発性白内障は、白内障の手術を受けた後に発生することのある合併症の一つです。

人工レンズは問題ないのに、手術で取り除かずに残した水晶体嚢(すいしょうたいのう)という膜の後ろ側が濁ってくることで視力が低下します。

白内障手術では、にごった水晶体の中身だけを取り除き、人工眼内レンズを水晶体嚢の中に固定します。このとき残された後嚢(こうのう)という膜に、細胞が増殖して濁ることがあり、これが後発性白内障の理由です。

発症までの期間は個人差があり、手術の数か月後に起こる人もいれば、数年経ってから濁ってくる人もいます。

後発白内障の症状は「また白内障が戻ってきたような見えづらさ」で、「視界がかすむ」「まぶしく感じる」「文字が読みにくい」などがそれにあたります。

しかしご安心ください。後発白内障はレーザー治療(YAGレーザー)で簡単に治療できるのが特徴です。痛みもほとんどなく、外来で数分の処置で視力が回復します。

 

続発性と後発性が混同しやすい理由は、両方とも「白内障」という言葉が含まれており、加齢性白内障とは異なるパターンで起こるためです。

表にすると次のようになりますので、ご参照ください。

項目

続発性白内障

後発性白内障

発症タイミング

他の病気・外傷などが原因で発症

白内障手術後に発症

原因

ぶどう膜炎、糖尿病、ステロイドなど

手術後の後嚢の濁り

治療

白内障手術(原因疾患の治療も)

YAGレーザー治療

症状

進行性の視力低下

見えづらさの再発のような感覚

 

まとめ:白内障の知識は、手術後も大切です

白内障手術は非常に安全性が高く、視力回復の効果も高い手術です。しかし、手術後も定期的なフォローアップが必要ですし、背景疾患によっては「続発性白内障」のリスクもあるため、目の変化に気づいたらすぐ眼科を受診するようにしてください。

また、「白内障の手術を受けたのに、最近また見えにくくなってきた」と感じた場合は、後発性白内障の可能性があります。

YAGレーザーで対応できるケースも多いため、心配しすぎず、まずはご相談ください。

目の状態は人によって異なります。原因、進行度、生活スタイルをふまえて、最適な治療を選ぶことが大切です。暑い日が続いておりますので、ご来院の際は日傘やサングラスなど紫外線対策を行い、気を付けてお越しください。ご参考になれば幸いです。

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