緑内障でも白内障手術はできる？同時治療のメリットと注意点を解説

「緑内障の治療中なのに、白内障手術をすすめられた」
そんなふうに驚かれる患者さまは少なくありません。

白内障と緑内障は、どちらも40代以降に増える目の病気ですが、同時に進行するケースも多く、白内障手術が緑内障治療の一環として行われることもあるのです。

今回は、緑内障と白内障を併発している方に向けて、白内障手術がなぜすすめられるのか、そのメリットや注意点について詳しく解説します。

緑内障と白内障、同時に起こることは珍しくない

まず知っておいていただきたいのは、緑内障と白内障は全く別の病気でありながら、同時に起こることが珍しくないということです。

• 緑内障：視神経が徐々にダメージを受け、視野が狭くなる病気。日本では失明原因の第1位です。
• 白内障：水晶体が濁り、視界がかすんだり、まぶしく見えたりする病気。加齢によるものが多く、60代以降で多く見られます。

緑内障の治療で点眼薬を長期間使用していると、副作用として白内障が進行しやすくなることもあります。

また、白内障が進むことで眼内の圧力（眼圧）が上がり、緑内障の悪化を招くケースもあるのです。

白内障手術が緑内障治療につながる理由

意外に思われるかもしれませんが、白内障手術には緑内障の改善効果が期待できる側面があります。具体的には、次のようなメリットがあります。

• 眼圧が下がることがある

白内障手術では、水晶体を取り除き人工のレンズ（眼内レンズ）に入れ替えることで、房水の流れがスムーズになり、眼圧が下がることがあります。
特に「狭隅角（きょうぐうかく）緑内障」の患者さまの場合、この効果が顕著に現れるケースもあります。

• 視界がクリアになり、診療の質が向上

白内障によるかすみが改善されることで、視野検査の精度が高まり、緑内障の進行状態をより正確に把握できるようになります。

• 点眼薬の負担を減らせる可能性

眼圧が安定することで、点眼薬の本数や頻度を減らすことができる場合もあります。

長期間の点眼による目の表面のトラブル（ドライアイやアレルギー性結膜炎など）も軽減される可能性があります。

すべての緑内障に有効とは限らない

とはいえ、すべての緑内障患者さまに白内障手術が有効とは限りません。

緑内障がかなり進行している場合、手術の影響で一時的に視野が狭く感じることがあるため、慎重な判断が求められます。

また、開放隅角緑内障の方では、白内障手術だけでは眼圧があまり下がらないこともあります。そのため、緑内障のタイプや進行度、視神経の状態などを総合的に評価したうえで、手術の適応を決定します。

白内障手術と同時に緑内障手術を行うケースも

近年では、白内障手術に加えて、「低侵襲緑内障手術（MIGS：ミグス）」を同時に行うケースも増えてきました。

MIGSは、目に大きな負担をかけずに房水の流れを改善する新しいタイプの緑内障手術で、白内障手術と併用することで眼圧コントロールと視機能の改善を同時に図ることができます。

この方法は比較的軽症〜中等度の緑内障に適応されることが多く、患者さまの生活の質（QOL）の向上にもつながると期待されています。

和田眼科グループでは、このMIGSも取り入れ、患者さまの視覚の質（QVL）を守ることに努めています。

緑内障があっても白内障手術は選択肢のひとつ

白内障と緑内障を併発している方にとって、白内障手術は「見え方を改善する」だけでなく、「緑内障の進行を抑える治療の一環」としても意味があります。

もちろん、手術のタイミングや方法は患者さまの状態によって異なります。

和田眼科グループでは、眼圧、視野、視神経の状態などを丁寧にチェックし、最適な治療方針をご提案しています。

また、今津本院・夙川分院ともに、白内障手術無料説明会を定期的に開催しています。

「緑内障があるから白内障手術はできない」とあきらめず、まずはお気軽にご相談ください。
一人ひとりに合わせた最善の治療を一緒に考えていきましょう。

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